【AIイラスト問題について】社説

昨今話題の「AIイラスト」について。今回は私的見解を述べてみます。
全部説明すると長いので いくらか はしょってしまいますが、御不明な点はコメント欄で☆
まず前提として「AI肯定派」=「AI絵師」ではないですし、「手描き絵師」=「AI否定派」ではないという点です。
多くの人は、これを混同しているから問題の着地点が見えなくなっているというのがウチの見解です。
「AIを肯定する」ということが「手描きがダメ」というわけではなく、「描けない人でも描けるようにする」や「描く時間を短縮する」等の部分がありますが、肯定する根本の部分は「(日本の場合は)法的に大丈夫な点」と「国が推進している」という部分にあります。
ここが勘違いされるのですが、国内法で大丈夫ということが「肯定」でなく、あくまでも各国の技術的な競争に乗り遅れるからという名目で、「倫理」や「人道」とは別の話でなんです。
いうなれば、単に罪刑法定主義上は法が成立していないだけです。
(なぜ、そういう言い回しになるのかというと著作権が著作者でなく、第三者の司法機関を経由するという規定が2016年からのTPPから組まれて前例が敷かれているからです。これ以降に「ファスト映画」や近年は国内法でも「ファストゲーム」が槍玉になっています。コイツらは明らかにやりすぎですが、前例を作っている、という意味です)。

そもそも「AI推進」とは言っても「文章」だったり「プログラミング」、その中でも「論文」「翻訳」「脚本」など多岐にわたります。
「絵画」という分野においても芸術寄りの「風景画」「人物画」などから「デザイン」「ポップアート」などあり、「AI絵師」のいう絵は主に美少女を中心にした「漫画絵」になります。
個人的には漫画絵は「絵師」とは狭義の意味では使いませんし、今現在は漫画絵の世界でも「絵師」という呼称は廃れてしまい侮蔑に近いように変遷されてしまってます。
ついでに書きますが「AI絵師」か「AI抽出師」の呼称問題がありますが、描くという外来語表記の「ドロー」が彫刻を含めた抽出する概念があるので、外来語的には「AI抽出師」が正しいです。「抽出師」をドリッパーとか何とか呼ぶか、廃れた「絵師」を語彙にするかは任せますが…。どのみち格好は良くはないですね。
あと、最大の問題が「学習と著作」です。
「人間が頭の中で他人の絵を学習した」のと「AIが他人の絵を読み込んだもの」とは違わないという意見です。
一見して正しそうですが、AIに学習させるために読み込ませるのって、CPU上で絵をダウンロードしてますから、この時点でコピーしていることになります。これを何百枚とあるイラストから合成して抽出してるので、基本的には「ツギハギ」です。
少し前に艦これの「海自榛名事件」というのがありまして、海上自衛隊コラボイラストの戦艦霧島の頭を戦艦榛名のイラストの頭とすげ替えて「海上自衛隊榛名イラスト」として販売していた という事件があって、ピッタリトーレス&切り貼りされているのに「自分で描いた」という主張されてましたが、まあ…ダメですよね。
それと同じなんですよ。
ただ、複数以上に合成してるので元が証明が難しいだけでして。
これって「わからなければいい」という話になってるだけです。
ウチ的には、これ、元画像の検出すらAIにやらせれば、そのうち検出できるようなるとは思いますね。
少なくとも、AI絵かそうでないかはAIで判定して切り捨てることは可能になるでしょう。

最後に、あくまでもAIイラストは各国の「AI競争」の一部分でしかないので、それが全部ではないです。
ただし、現実的に「流行りの絵」として大量にAIイラストがSNSに投稿されてます。しかも日本人より海外の方が日本の流行りイラストみたいにして大量投稿してます。
まぁ、10分で50枚とか出力できるAIイラストが占拠すると、普通にSNSやコミニュティが使えなくなりますね。
あと、これから起こる最大の懸念材料は「著作権」のルール変更です。
大量に投稿されるイラストの大半は「何とかのアニメの何とかってキャラクター」という風にプロンプトが打たれて作成されてます。AIイラストには著作権が認められない国が多いのですが、逆を言えば著作物をそれっぽくすれば生成し放題になります。
もちろん、著作物をAIに取り込めばロンダリングされて、元の著作ではないと主張することも可能になります。そうなると、規制しなければならなくなるのは構わないのですが、規制対象が「二次創作」にも及ぶことになります。ただでさえグレーゾーンの部分も多いので、ここまで問題が波及すると同人誌界隈がなくなりますし、現在は大半が版権絵であるイラストのコミニュティも かなり制限されてしまいます。
少なくともイラスト界隈では、技術発展の遅れよりもコミニュティが成立しなくなるので、市場規模は落ちるでしょう。
何より他人のイラストをダウンロードしてるだけなので、システムは新しくとも、創作物としては焼き直しが限界です。
一方では「補助ツール」としては認められるべきですが、恩恵よりリスクが高いです。かといって全てを封印できるかというと、かなり厳しいので、パンドラの匣は戻せない状況ですね。下手するとAIにAIをぶっける世界がきますからね。

と、いうことで今日はAI絵師について喋ってみました。
まあ、絵を描く ほとんどの方が嫌いだと思いますが、ユーザーさん側だと「気にしない」も多いし、AIかどうかすら判別してませんよ。
逆にウチみたいに絵が描けないような絵師さんがYouTubeなんかで強く批判動画出してるのが現状ですね。その方こそAIを使うべきでは…とは正直思いましたが…(笑)
なので、今回、ノコノコと出てきてみました。
結論から言うとAIはドラゴンボールでいうところの「人造人間編」です。まだ19号とか20号とか出たばかりですけど、そのうちセルがでてきますよ。

まぁ・・・厨二病の たわごと だとでも思っていてください☆